2018年6月19日記載
こんにちは。管理人の佐和子です。
回復クラス(講座)10回目を記録します。
講師はNPOアコアのわねざきいくえさんです。
今回は【トラウマになる記憶・ならない記憶~BASK~】について学習しました。
BASKとは
B・・・Behavior(出来事)
A・・・Affect(感情)
S・・・Sensation(身体的感覚)
K・・・Knowledgo(状況を把握する)
例:私が転んだ時
B・・・転んだ(出来事)
A・・・恥ずかしかった(感情)
S・・・痛かった(身体的感情)
K・・・転んだ場所は滑りやすかったから転んだんだ(状況把握)
「今日は転んじゃって、凄く恥ずかしかったし、痛かったし、嫌になっちゃった。」
「あらそうだったの?大丈夫?。」
「うん、今度から、あそこは滑りやすいから、この靴で歩くときは気をつける。」
BASKが繋がっていると、このような違和感のない会話や認識ができます。
そしてまとまりのあるBASKは「記憶」として処理され、
記憶のタンクに沈んでいきます。
さて、滑りやすいところで転んで痛かった。恥ずかしかった。
横にいた彼が突然怒りだし「なんで転ぶんだ」と暴力を振ったとしたら・・・
転んだだけなのに、なぜ彼に殴られるのかわからない。
「今日は転んじゃって、凄く恥ずかしかったし、痛かったし嫌になったし
彼には殴られるし、今度からあそこを歩く時は気をつけるわ。」と
私が話したら・・・何か違和感を感じませんか?
・転んで恥ずかしくて痛かった。
・横にいた彼に殴られた。
この出来事は2つの別の物語として分けて処理されなければなりません。
しかしB.A.S.Kのひとつひとつが大きいため混乱し
出来事を把握する力を失ってしまいます。
繋げて処理することができずに認識が歪んでしまいます。
混乱したBASKは「まとまった記憶」として処理されず、
それぞれがタンクの中でぷかぷかと浮かんだ状態になります。
すると、滑りやすいその道路に差し掛かった時
或いは転んだときの靴を目にした時、
この道を歩くと「彼に殴られる!」
この靴を履くと「彼に殴られる!」と強い感情が込み上げてきます。
これがフラッシュバックです。
以下、私の経験から~
小さな子どもが骨のある魚を上手に食べるのは難しいですね。
私も魚を上手に食べられず、その度に叱責され打擲され
養母の怒りがエスカレートし、食卓から引き摺りだされ折檻されたことがあります。
B・・・魚を上手に食べられない(出来事)
A・・・上手に食べられないからちょっと落ち込む(感情)
S・・・お箸を上手に使えない(身体的感覚)
K・・・この食べ方では上手くいかないからお母さんに教えて貰おう(状況把握)
ここで、養母の折檻が起こると
「魚を上手に食べられなくて、ちょっと落ち込んだし、お母さんに折檻されるからこれから魚を食べるのはやめる」と私が言ったとしたら違和感があります。
・魚を上手に食べられないからちょっと落ち込んだ
・魚を上手に食べられなかったからお母さんから折檻された
これは2つの別の物語です。
しかし私は混乱し、このBASKをまとめて
記憶のタンクに沈めることができませんでした。
私は今でも魚料理を滅多に作りません。
作るときは夫の分だけ。または出来る限り骨のない魚を調理します。
骨付きの魚料理を前に、フラッシュバックを起こしたことがあったからです。
その時の私は「ごめんなさい、ごめんなさい!」」と泣いて謝ったそうです。
フラッシュバックを起こした時の記憶はありません。
このように、BASKのひとつひとつがタンクの中で浮遊し
似た状況を前にすると「強い反応」を示します。これがフラッシュバックです。
【感情の袋はひとつ】
心がトラウマの攻撃を受けると、傷付きの感情が「感情の袋」に溜まっていきます。
傷付きの感情は自分を攻撃するイガイガに姿を変え、自分を傷つけ
自責や罪悪感を呼びます。
【怒りの爆発】
感情の袋にイガイガが溜まっていると「関係のない相手から少しの刺激を受け
それに対するイガイガを出そうとした時に、溜め込まれたイガイガが
全部一緒に飛び出してきます。
以下、私の例です。
私の元友人Kは時間にルーズな人でした。
約束の時間から1時間や2時間遅れるのは当たり前。
最高10時間、連絡もとれず待ちぼうけをしたことがありました。
私は時間に厳格です。「待たせる」ということは
「相手の時間を奪う」ことであり「相手を尊重していない」ことに
繋がると考えているからです。
さてある日のこと、Rさんと待ち合わせをしました。
Rさんは「少し遅れる」と連絡をくれました。それが2度起こりました。
2度目に私はRさんに怒りをぶつけました。
しかし怒りの大半は、時間に超ルーズなKさんに対するものでした。
つまり「人を待たせるということは相手の時間を奪い、相手への尊重を欠く」という私の基準にしたがって「私は尊重されていない!私を尊重して!」と
Kさんへのイガイガまでも一緒に飛び出してしまったのです。
今思えば、実に過剰な反応でした。
【感情鈍磨】
「怒り」「傷つき」「自責」は実に辛い、抱えにくい感情です。
またこれらの感情を表に出した時に受け入れられないと
更に大きなイガイガへと変容し、感情の袋に戻ります。
もうこんな感情は見たくない。感じたくないという思いから
感情の袋の紐をギュッと絞って心に蓋をするとどうなるでしょう。
「感情鈍麻」が起こります。
感情鈍麻の厄介なところは、怒り、傷つき、自責を感じることができないと同時に
日常生活で起きる「ちょっとした嬉しいこと、楽しいこと」にも鈍感になり
生き生きとした感情を失ってしまいます。私も一時期そうでした。
現在はグリーフ(悲嘆の作業)アファーメーション、瞑想が効を奏して、
完全とは言えないまでも「感情」を取り戻しています。
【鬱】
感情は外に出たがっています。それを押し込める為に蓋をしても
袋の中のイガイガが発酵し、ぷくぷくと泡立っています。
更に蓋を閉めようと力を込めると、蓋を押さえる為にエネルギーが消費され
疲弊しきって「鬱状態」を引き起こします。
■感情の袋による悪影響を減らすために■
感情の袋の悪影響を減らすには、安全な方法で感情を外に出すことが役立ちます。
話すこと・・・ふくおかacでの虐待サバイバー回復ミーティングがそれです。
書くこと・・・一日に感じたストレスや過去の感情を書き出して破り捨てる。
泣く・・・グリーフ・ミーティング(悲嘆の作業)
笑う・・・2~3時間笑い続けるワークもあると聞きました。
BASKについては以上です。
今回は「PAーPassiv Aggression 受動的攻撃)についても学びました。
長文になりますので、今日はBASKについてのみ記録します。
近々PAについても記録したいと思います。
長文を読んで頂き、ありがとうございました